一度身についた生活水準は、下げることが難しいものです。
例えば、昨日まで10畳の広さがあった部屋が突然4畳半になったとしたら?
「狭い部屋はちょっと…」と感じるのではないでしょうか。
これはほんの一例ですが、一人暮らしをすると今までの暮らしよりも色々な場面で制約を受けることに気づきます。
「できれば、設備の整った環境で学生生活を送りたい」と思いますよね。
実は、学生マンションは基本的に最新の設備を整えている物件です。
一人暮らしの物件を選ぶにあたって、学生マンションを選択肢に加えてもらいたいと思います。
なぜ学生マンションがいいのか知りたいなら、このまま最後までお付き合いください。
これから一人暮らしをする学生という方に、物件探しの重要なヒントを紹介します。
学生マンションって何?
学生を対象にした物件は主に学生マンション・学生会館・学生寮、一般のアパートやマンションなどの4種類が考えられます。
この記事にたどり着いた方の中には、初めて物件について調べている方もいるでしょう。
まずは、これらの物件の特徴を見ていきましょう。
学生マンションと学生会館・学生寮との違い
学生だけが入居できる物件としては、学生マンションと、学生会館・学生寮の3種類があります。
このうち学生会館と学生寮の二つは、運営が学校であるか一般であるかという違いはありますが、物件の性質はよく似ています。
学生会館や学生寮は、食事付きで学校の近くにあり、家賃も安いなど経済的に厳しい学生にとっては好条件の物件です。
ただし、これらは他の学生との共同生活を前提としています。
規則が多く、設備も共同使用というところがほとんど。
個人の生活のプライバシーや自由は限られています。
仲間と楽しく過ごせるというメリットは考えられますが、規則に息苦しさを感じてしまうケースも。
一方、学生マンションはセキュリティ対策が万全で、設備の整った物件が多いのが特徴です。
学生会館や学生寮と違い、門限や食事の時間など、入居者である学生に何かしらの規則が課されるということはありません。
個人の生活のプライバシーや自由を重視している物件だと言えます。
学生マンションと一般のアパート・マンションとの違い
学生マンションと一般のアパート・マンションを比べた場合、両者の違いはもっぱら住んでいる人の違いだと考えられます。
生活上の規則がないという点は、学生マンションも一般のアパート・マンションも大差はありません。
ただ、学生マンションでは同じ学生同士が暮らしているので、友達が見つかる可能性も高いものです。
一方、一般のアパートやマンションでは、もちろん学生だけが住んでいるとは限りません。
場合によっては近所付き合いさえ全くないということもあります。
一般のアパート・マンションは、孤独と向き合うことになる傾向が高いのです。
マンションとアパートの違い
部屋探しでよく目にする「マンション」と「アパート」の違いは何でしょうか。
この二つは、建物の構造が異なるというだけです。
簡単に言えば、建物の階数と使われている材質が異なります。
マンションに階数の制限はありませんが、アパートの場合は階数が2階~3階までです。
材質はマンションなら鉄骨鉄筋コンクリート造、アパートは木造や軽量鉄骨造などで作られます。
実は、この構造の違いを見るだけでも、
・家賃はマンションよりアパートのほうが安い傾向にある
・防音性や遮音性はマンションのほうが良い傾向にある
・マンションは大きい道路の側に建設されることが多いので交通の利便性は高いが、反面交通量が多いと騒音が気になることもある
といったことが予想できます。
マンションのほうに良いイメージを抱くかもしれませんが、構造上アパートに分類されるものであっても「◯◯マンション」と名付けられることもあります。
部屋探しをする際は、実際に自分の目で見て確かめることが重要です。
今までの暮らしとの違い
学生が物件を探すという場合、初めて一人暮らしをすることになる人がほとんどではないでしょうか。
これまでの生活との違いを挙げるとすれば、親元を離れて全て自分の力で解決していく必要があるということです。
一番の違いはと言えば、たいてい自炊や掃除などの家事を自分でする必要が出てくることでしょう。
あるいは、実家の自分の部屋よりも狭くなってしまうことも考えられます。
生活水準が今までより制限されることに抵抗を感じたとしても不思議ではありません。
物件を選ぶ際は、ある程度妥協しなくてはならない場合もあります。
しかし、問題に感じるのは最初のうちだけで、慣れてしまうと抵抗感はだんだんと消えていくことがほとんどです。
部屋探しで失敗しがちな3つのポイント
一回物件が決まってしまうと、経済的にまたすぐに物件を変更するというわけにもいきません。
特に初めて部屋を探す際には、何かと失敗もしやすいもの。
後から「やめておけばよかった」と後悔しないためにはどんなことに気をつけるべきなのでしょうか。
失敗その1「日当たりの悪い部屋を選んでしまう」
日当たりの悪い物件を選んでしまうと、洗濯物も乾きにくく苦労します。
昼間などは出かけているため、多少良くない程度なら問題ないかもしれませんが、湿度まで高くなると室内にカビが発生しやすく、健康を損ねる原因になりかねません。
場合によっては、退居した際に修繕費などが敷金から引かれることも考えられます。
普段の生活がしやすく、後々の費用を抑えるためにも日当たりや風通しはよさそうかチェックしましょう。
失敗その2「通学場所が変わってしまう」
学生の中でも特に大学生であり得るのが、進級したら通学するキャンパスが変わってしまうケースです。
卒業するまで通学するキャンパスが変わらない大学なら問題ありませんが、キャンパスが変わってしまうと、通学時間が大幅に変わってしまうことがあります。
失敗その3「付近に買い物できる場所がない」
学生が物件を選ぶ際、たいてい通学する学校の近辺から選ぶことがほとんどでしょう。
つまり、学校の周辺が生活エリアとなります。
しかし、学校周辺の状況を何も調べずに物件を選ぶと、いざ住んでみたときに買い物できる場所が限られていることもあります。
学生の一人暮らしにかかる費用はどれくらい?
そもそも学生が一人で生活していくには、どれくらいお金がかかるものでしょうか。
入居時の費用
入居時にかかる費用としては、以下のものが考えられます。
・家賃
・敷金と礼金(家賃の0~2ヶ月分程度)
・仲介手数料(家賃の約1ヶ月分程度)
・引っ越し代
トータルでは、家賃の5~6倍程度と言われています。
家賃が6万円とした場合、入居時だけで36万円ぐらいはかかるということです。
人気の物件ほど借り手が見つかりやすいため、敷金や礼金、仲介手数料はしっかり取ることが多いようです。
逆に、あまり人気のない物件は借り手が見つかりにくい分、敷金や礼金、仲介手数料を安く設定するところも。
なぜ安く設定されているのかは、尋ねておくのがいいかもしれません。
生活費
生活費でいくらかかるかを把握しておかないと、家賃にいくらかけることができるかわかりづらいものです。
生活費として必要なものは以下のものが挙げられます。
・光熱費
・月々の家賃
・食費
・通学費
・交際費
生活費のトータルは、全国平均で1ヶ月あたり10~12万円程度です。
内訳としては、光熱費と家賃が全体の50%、食費が25%、通学費と交際費が25%程度となっています。
この生活費約10万円は厳しいのかどうかを見るために、食費で考えてみましょう。
10万円の25%なら、1ヶ月の食費は25,000円。
30日で割れば、1日あたり約800円です。
これを3食で割ると、食事1回あたり260円程度に収めなくてはなりません。
外食1回で500円~800円かかることを考えると、かなり切り詰める必要があると実感できるのではないでしょうか。
学費
上記の生活費に加え、学生によっては学費も自分でという人もいるかもしれません。
国公立系の大学なら年間で60万円程度、私立系の大学はその約2倍の120万程度がかかります。
ただし、医学部をはじめ、学部によっては更に学費が必要になるケースも。
大学に通うのに、どれくらいのお金がかかるのかがわかると、家賃はどれくらいがよさそうかある程度の目安がわかります。
学生マンションのメリット
学生マンションに入居したら、どんなメリットがあるのでしょうか。
設備が充実
学生マンションを早い段階で予約しておく価値はあります。
大抵は設備が整えられているため、他の物件と比べても学生マンションの室内は好条件である傾向が高いからです。
また、学生専用であることからセキュリティ性が高く、大抵の学生マンションはオートロックや防犯カメラ、ピッキング防止などを標準で備えています。
友人を作りやすい
友人の作りやすさだけで考えるなら、共同生活を重視する学生会館や学生寮が最もよいと言えます。
しかし、やはりプライバシーが気になるという人もいるのではないでしょうか。
かといって、プライバシーは十分確保できる一般の物件では、もちろん社会人が入居している事もあります。
場合によっては、同じ物件内に学生がほとんどいないケースも考えられます。
学生マンションは、ちょうど両者のいいとこ取りで、プライバシーを確保しつつ友達も作りたいという学生に向いています。
学生マンションのデメリット
では、反対に学生マンションのデメリットとしてはどんなことが考えられるでしょうか。
なかなか空きが出ない
人気の学生マンションにもなると、卒業するまで退居しないという学生も多く、空き部屋が見つかりにくいために競争率は激しくなる傾向があります。
事前予約のキャンセル料があるかどうかを確認した上で、なるべく早めに予約しておいたほうがよさそうです。
家賃は若干高めの傾向
設備の良さと家賃は比例しやすいものです。
設備が充実している分、学生会館・学生寮・一般のアパートやマンションなどと比べると、学生マンションの家賃は1~5万円程度高い傾向があります。
ただし、契約期間満了まで学生マンションに住んでいた場合、一般のアパートやマンションに住んだ場合と比べても、総合的な支払額はあまり大きくは変わりません。
特に家賃が比較的高い都市部では、学生マンションのほうが安く済むことも。
騒がしいこともある
学生同士が集まると、どうしてもハメを外してしまうことだってあります。
そのため、夜中に騒がしいなどのケースも目立つようです。
また、隣の学生が大音量で音楽を流すといったことも。
もちろん住んでいる学生のマナーにもよるので一概にはそうとは言えませんが、場合によっては騒々しいことがあるかもしれません。
学生マンションの選び方3つのポイント
学生マンションのメリット・デメリットを理解した上で、学生マンションを選ぶならどういう点に気をつけて選べばよいか見ていきましょう。
ポイント1:家賃
物件選びは、最終的に家賃を支払う親が決めるケースがほとんどです。
家庭の経済状況に無理のない範囲で物件を選ぶことになるでしょう。
しかし、物件はとにかく安ければ安いほどいいというものでもありません。
相場以上に安い場合は、それなりの理由があると考えるべきです。
また、敷金・礼金などの初期費用がどれくらいかかるかも重要なポイントです。
家具などの設備が充実している学生マンションであれば、初期費用が高くてもトータル的なコストは安くなる場合もあります。
ポイント2:立地条件
立地条件は、以下の二つについて考慮することが重要です。
1. 学校までの距離
2. 周囲の状況
まずは学校までの距離がどの程度あるのかという点に注目します。
その際、通学手段は徒歩・自転車・公共交通機関などのうちどんな方法になりそうかをイメージしておきましょう。
物件と学校との距離が近いほど通学は楽ですが、近すぎるとたまり場になってしまったり、キャンパスに留まっている学生がうるさいことも考えられます。
逆に遠すぎると、交通費が必要になってしまうことも。
また、周辺で買い物がしやすいかなど、物件の周囲の状況についてもきちんと確認しましょう。
例えば、グーグルマップなどを使って学校周辺の街並みを見ておくだけでも、生活がしやすいかどうかイメージが湧きやすくなります。
ポイント3:室内の条件
一人暮らしは、それまでの暮らしと比べるとたいてい生活水準が著しく制限されます。
例えば、部屋が狭い、ユニットバスが使いづらい、ネットの通信がいまいちといった具合です。
家賃の事も踏まえると、どうしても妥協しなくてはならない面もあるでしょう。
一度、自分がどういう環境の室内で暮らしたいのか、
・南向きの部屋がいい
・セーフティがしっかりした環境がいい
・ネットを使いたい
など、これが欲しいという条件を思いつく限り書き出してみましょう。
その中で、妥協してもいいもの、譲りたくないものなど、優先順位を決めておきます。
家賃が予定通りの額に収まらないようであれば、妥協してもいい条件から削っていき、最低限の要望は満たせる物件を探していきましょう。
部屋探しおすすめのサイト5選
学生マンションを選ぶのに、おすすめのサイトを紹介します。
UniLife(ユニライフ)
学生向けの物件に特化した不動産会社で、学生マンションや学生会館などの物件を多く扱っています。
大学の近場にある物件を探したり、女性のみの物件などこだわりの条件で探す事も可能です。
仲介手数料70%割引もあるなど、早めに予約などすると様々なキャンペーンも受けられます。
会社名:株式会社ジェイ・エス・ビー
電話番号:京都本社:075-341-2728
東京本部:03-3344-3228
ホームページ:https://unilife.co.jp/
ナジック 学生情報センター
業界最大の提携校数を誇る不動産会社です。
ナジックジャンプシステムにより、一部の物件を除いて10月時点で申し込んでも家賃が4月に入居するまで発生しません。
併願校の分も合格前の予約ができるため、受験校周辺の物件を早めに確保することも可能です。
会社名:株式会社学生情報センター ナジック
電話番号:075-352-0033
ホームページ:https://749.jp/
東京/湘南学生ライフ
東京・神奈川・埼玉・千葉など、首都圏での学生マンション探しに大きな強みを持っています。
1都3県で扱っている学生マンションは49棟で、合計は約2,000室に上ります。
女子学生専用のフロアを採用している他、バス・トイレ別のマンションで探す事もできるなど、物件を探す条件を細かいところまで指定することができます。
一部マンションでは、光ファイバーによるインターネットが無料で提供されています。
会社名:株式会社東京学生ライフ
電話番号:東京・埼玉エリア:0120-70-8733
神奈川エリア:0120-40-8733
ホームページ:https://www.sumunda.jp/
学生マンション総合案内センター
営業時間が夜7時までのため、親の仕事が終わった後に物件探しの相談ができます。
見学は、電話またはWEBで簡単に予約が可能です。
年内の申込み比率は約50%と、早い段階で予約が殺到することが伺えます。
合格前予約も実施しているので、混雑しやすい2・3月の時期を避けて部屋探しをすることが可能です。
会社名:株式会社毎日コムネット
電話番号:学生マンション総合案内センター東京駅前センター:0120-952-407
学生マンション総合案内センター新宿駅前センター:0120-952-408
ホームページ:https://www.gakuman-tokyo.com/
司興産
司興産は大阪・京都の学生マンションの特化した不動産会社です。
学生マンションでありながら、食事付きのマンションを運営している点がユニーク。
ツイーターで物件の情報を見ることができるなど、学生が目にしやすい情報網を整えています。
マンションは大きく4種類に分かれ、予算や希望に合わせたものを選ぶことができます。
会社名:司興産株式会社
電話番号:03-6356-6500
ホームページ:https://www.collegehouse-osaka.com/
後悔しないために
合格してから物件を探そうとすると、好条件の物件はなくなっていることが多いものです。
だからといって、早めに物件を決めるにしても「余計な家賃をかけたくない」と感じるものです。
学生マンションは早めに予約ができるため、実際に入居するまで家賃が発生することなく、好条件の物件が選べます。
学生マンションは空きがなかなか出ないことを鑑みても、できる限り早めに行動を起こしたほうが、希望通りの物件が見つかりやすいと言えます。
物件探しで後悔することのないよう、思い立ったうちに行動を起こしてみてはいかがでしょうか。